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働き方

面貸しの契約には4種類ある。
同じ売上でも手取りは140万変わる

2026年8月 / フリーランス美容師(面貸し)

面貸しやシェアサロンの求人を見ると、たいてい「歩合最大70%」と書かれています。数字だけを見ると、売上の7割がもらえるように読めます。

ただ実際には、歩合とは別に席代がかかる契約もあれば、席代だけで歩合がない契約もあります。この構造を知らないまま契約すると、思っていた金額と違うということが起こります。

契約は大きく4種類

1. 歩合のみ

売上の一定割合をサロンに支払う方式です。固定費はかかりません。取り分は50〜60%あたりが多い印象です。

売上が少ない月は支払いも少なくて済むので、リスクが低いのが特徴。独立したばかりで客数が読めない時期には向いています。逆に売上が大きくなると、支払う額も比例して増えていきます。

2. 月額固定のみ

売上に関係なく、月額の席代だけを支払う方式です。相場は月10〜25万円。歩合はかからないので、売上はすべて自分のものになります。

売上が大きい人ほど有利です。月80万売る人でも200万売る人でも、支払う額は同じですから。ただし売上が落ちた月も同額を払う必要があるので、固定客がついていることが前提になります。

3. 月額+歩合の併用

月額1〜5万円程度の席代に加えて、売上の20〜30%を支払う方式です。フリーランス美容師の契約としては最も一般的だと感じています。

サロン側からすると、最低限の固定収入を確保しつつ、売れる人からは歩合も取れる。双方にとってバランスが取れた形です。

4. 時間貸し(スポット)

使った時間だけ支払う方式で、1時間あたり1,000〜3,000円が目安です。

週に数日だけ働きたい人、他の仕事と並行している人、まずは試してみたい人に向いています。稼働が増えると割高になりやすいので、フルタイムで働くなら他の方式のほうが有利になることが多いです。

同じ売上で、いくら変わるのか

年間売上1,000万円、材料費などの経費が年80万円、青色申告(65万円控除)、単身・国民健康保険という条件で、4方式を計算してみます。

契約方式 サロンへの支払い 入金額 手取り
歩合のみ(取り分60%)4,000,0006,000,0003,933,295
併用(取り分70%+月3万)3,360,0006,640,0004,335,240
時間貸し(2,000円×80h)1,920,0008,080,0005,223,781
月額固定のみ(月15万)1,800,0008,200,0005,298,677

最も少ない方式と最も多い方式の差

1,365,382

年間の手取り・同じ売上1,000万円の場合

同じだけ働いて、同じだけ売っても、契約方式によって年間136万円の差が出ました。月に11万円です。

ただし、売上によって答えは逆転する

上の表だけを見ると「月額固定が一番いい」と思えますが、これは売上1,000万円という前提があるからです。

月額15万円の席代は、年間180万円の固定費です。売上が年600万円しかなければ、この180万円は売上の30%にあたります。歩合60%(=支払い40%)のほうが安く済む計算です。

月額固定の席代は、売上が上がるほど「実質の負担率」が下がっていきます。逆に歩合は、売上が上がるほど支払額も増え続けます。どこかに損益が入れ替わる分岐点があります。

自分の売上規模がどのあたりにあるかで、有利な契約は変わります。「どの方式が得か」ではなく「自分の売上ならどれが得か」で考える必要があります。

契約前に確認しておきたいこと

求人票の「歩合◯%」だけでは判断できません。契約前に、少なくともこれは聞いておいたほうがいいと思います。

特に「材料費が自分持ちかどうか」は、手取りに直接効いてきます。歩合が高くても材料費を全額負担するなら、実質の取り分は下がります。

自分の条件で計算する 手取りシミュレータ 4つの契約方式に対応しています。売上と歩合率、席代を入れると、サロンへの支払い・税金・社会保険を引いた手取りが出ます。契約方式を変えた場合の比較も同時に表示されます。

相場として挙げた金額は、筆者が把握している範囲での目安です。地域やサロンによって条件は大きく異なります。試算は一般的な計算式に基づく概算であり、国民健康保険料は自治体によって変わります。契約内容については、必ず事前にサロンへご確認ください。