売上の行方

売上は、 どこへ消えるのか。

サロンからの入金から、税金と社会保険を引いて、実際に使えるお金を計算します。経費を計上すると税金がいくら変わるのかも、自分の数字で分かります。

I

入力

青色申告(65万円控除)は、複式簿記での記帳と電子申告を条件に、所得から65万円を差し引ける制度です。白色申告との差は、税と国保をあわせて年10〜20万円になることもあります。会計ソフトを使えば複式簿記は自動化できます。

サロンとの契約

面貸し・シェアサロンの契約は大きく4つ。歩合のみ(売上の一定割合を支払う)、月額固定のみ(売上に関係なく席を確保)、月額+歩合の併用(フリーランスに最も一般的)、時間貸し(使った時間分だけ支払う)。同じ売上でも方式によって手取りは大きく変わります。

経費

経費を計上しても、入金額そのものは減りません。減るのは税金と国民健康保険料の計算に使われる所得です。つまり経費を正しく計上するほど、支払う税金は少なくなります。計上には帳簿と領収書の保存が必要です。

材料費薬剤・消耗品など
会議費・接待交際費 仕事相手との飲食など

仕事の打ち合わせを兼ねた食事は会議費、取引先やお客様との会食・手土産は接待交際費として計上できます。誰と・何の目的だったかをレシートに書き残しておくのが基本です。プライベートの食事は対象外です。

交通費電車・バス・出張など
通信費 携帯・ネット回線

携帯やネット回線は仕事とプライベートの両方で使うため、事業で使っている割合だけを経費にします。これを家事按分といいます。予約対応やSNS運用に使っているなら、50〜70%で按分するケースが多いようです。

車両費 ガソリン・駐車場・保険

ガソリン代・駐車場代・自動車保険などは、事業で使う割合分を経費にできます。走行距離や使用日数から割合を出すのが一般的です。

車の減価償却 車両の購入価格から計算

ローンの毎月の返済額は、経費にはなりません。経費にできるのは、車両の購入価格を耐用年数(新車の普通車で6年)に分けて計上する減価償却費と、ローンの利息部分だけです。ここでは購入価格を6年で割った額に事業割合を掛けて概算しています。

事務所費 自宅家賃の按分など

自宅で事務作業・在庫保管・オンライン対応などをしている場合、家賃の一部を経費にできます。作業スペースの床面積や使用時間の割合で按分し、20〜40%とするケースが多いようです。持ち家の場合は扱いが異なるため、税理士への確認をおすすめします。

その他道具・書籍・研修・保険料など
経費合計(年間) 0円
申告と扶養
条件を細かく指定する

市町村の国民健康保険は所得に連動して保険料が決まります。一方、美容・理容・建設などの国保組合は所得に関係なく定額のことが多く、所得が上がるほど組合のほうが安くなる傾向があります。加入している組合の月額が分かる場合は、そのまま入力してください。

II

手元に入るお金

サロンからの入金・年間

0円

経費を計上したことで軽くなった負担

0円

III

売上の全体像

経費には家賃や車の按分など、生活と重なる支出も含まれます。ここでの「手取り」は、経費もすべて差し引いたあとに残る金額です。

IV

契約を変えたら

同じ売上のまま、サロンとの契約方式だけを変えた場合の手取りです。歩合率・席代・時間単価は入力した値をそのまま使っています。

V

次にできること

このセクションには広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。この計算は一般的な計算式に基づく概算です。国民健康保険料は自治体によって、経費の按分割合は実際の使用状況によって異なります。正確な金額や個別の判断は、税理士または税務署にご確認ください。

—

読みもの

老後資金・節税 業務委託の美容師には退職金がない。小規模企業共済とiDeCoで年5万円の節税 小規模企業共済とiDeCoの違いと、掛金でいくら税金が減るかを計算しました。所得400万円・月3万円で年5万4千円。60歳まで引き出せない、早くやめると損をするなど、始める前の注意点もまとめています。 確定申告 面貸しの美容師が経費にしているもの。服は経費にならなかった 材料費・車・家賃、ハサミ、ウィッグ、講習費、オンラインサロン、通信費。現役の面貸し美容師が実際に経費にしているものと、経費にできなかった服の話。カードと会計ソフトを連携させた管理方法も書いています。 確定申告 白色と青色、美容師はどっちにすべきか。手取りで年17万円違った 総売上800万円の面貸し美容師で計算すると、白色と青色の手取りの差は年17万円。2027年分から書面提出の控除が55万円から10万円に下がる改正と、青色申告の始め方もまとめました。 消費税・インボイス 業務委託の美容師が売上1,000万円を超えたら考えること 消費税がかかるのは2年後から。判定に使う売上は契約の形で変わります。簡易課税での納税額の目安、インボイスの3割特例、法人化の考え方まで整理しました。 働き方 業務委託に移る前に、歩合率より先に聞いておきたい3つのこと ノルマ・最低出勤日数・空き時間の扱い。求人票では見えにくい働き方の条件を、正社員から業務委託に移った美容師の体験から整理しました。ここを知らないと、自由に働けるつもりが想像と違う働き方になります。 確定申告 経費を275万円計上したら、税金が72万円変わった話 面貸しの美容師が、自分の確定申告書の実数で検証しました。経費を計上した場合としなかった場合で、所得税と住民税は年72万円の差。家事按分の考え方、車のローンの扱い、2025年分から変わった基礎控除についても書いています。 働き方 面貸しの契約には4種類ある。同じ売上でも手取りは140万変わる 歩合のみ・月額固定のみ・併用・時間貸し。求人票の「歩合最大◯%」だけでは分からない構造と、それぞれの相場を整理しました。契約前に確認しておきたいことも書いています。 社会保険 美容師・理容師の国民健康保険、組合に入ると年48万安くなることがある 市町村の国保は所得に連動し、美容業の国保組合は定額。事業所得230万円あたりで有利不利が逆転します。所得別の比較表に加えて、理容国保の保険料と、面貸し・業務委託だと加入できない組合があることもまとめました。